「鳥インフルエンザ等家畜防疫対策本部」が19日に自民党内で開催された。会議では、農水省から高病原性鳥インフルエンザ、豚熱などの発生状況について説明し、それに対し議論した。
今シーズンの高病原性鳥インフルエンザは19日時点で、秋田から鹿児島まで、14件の発生が確認されている。昨シーズンと比較すると密集地での多発や大規模農場での発生は抑えられているが、いまだ日本全国ゾーンでリスクがある。海外に目を向けると、イギリスでは75件、フランスでは45件、さらにイタリアでは305件の発生が確認されており、とヨーロッパでは非常に流行していることがわかる。また、韓国においても、家禽での発生は21件が確認されており、世界的に流行している。
豚熱については、昨年はワクチン接種県での散発がみられた。とくに、群馬県では特定のエリア(71・73・74例目)で連続しての発生が確認されたため、12月に疫学調査チームでの検討を行った。その結果、柵はあるが山に接していたことでリスクが高まっていることが判明。一部の木を伐採して、バッファゾーン(緩衝地)をつくることが有効であることが示された。また、泥のついたままの靴で消毒をすると効果がなくなることから、これをしっかりと洗浄し、消毒液を1日1回交換する対応が必要であることを周知した。猪への対応として、サーベイランス検査、経口ワクチン散布などを実施しているが、豚熱陽性率の変化として、早い時期から経口ワクチン散布を実施している岐阜県、愛知県など、中心部の県では野生猪の豚熱陽性率が低下している。一方で、取組期間が短く散布量が少ない東西の辺緑部の府県ほど陽性率が高い結果となり、散布効果が確認できた。
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