農水省は令和2年度第2回越境性動物疾病防疫対策強化推進会議を19日、各都道府県畜産課関係者がリモートで参加する中、省内で開き、今シーズンの高病原性鳥インフルエンザについて、国内外における発生状況、国内分離ウイルスの特性、専門家の提言を踏まえた対応、飼養衛生管理の全国一斉自己点検結果の改善状況、全国一斉の緊急消毒の実施状況を報告。豚熱(CSF)・アフリカ豚熱(ASF)についても、国内外の発生状況、豚熱の予防的ワクチン接種、専門家による提言を踏まえた対応などを報告し、これまでおよび今後の取り組みを確認した。
冒頭、野上浩太郎農水大臣(写真)があいさつし「本会議は昨年10月に第1回を開催したところだが、鳥インフルエンザの継続発生や、ワクチン接種後の農場における豚熱の発生といった現状を踏まえ、最新の状況と今後の対策を共有し、関係者には引き続き最前線で指導にあたってほしい」と述べた。
鳥インフルエンザについては「国内においては15県で36事例の発生が確認されている。今シーズンは渡り鳥が運んでくるウイルス量が多く、ハヤブサなどの渡り鳥ではない野鳥の感染も確認されており、湖やダム湖周辺だけではなく、野山や道路などにもウイルスが多量に存在している状況。こうした中で農場への侵入を防ぐためには、消毒や防鳥ネットでの管理など飼養衛生管理の基本の徹底が必要だ。また農場や人、モノ、車両の消毒などによりウイルス量を一定量以下まで減らせば感染を防ぐことが可能であることから、関係者一体となった徹底的な消毒を行うことなどを発信している。鳥インフルエンザについては農場へのウイルス侵入を防ぐことが世界的にも唯一の対策。農場への飼養衛生管理の一斉点検のフォローアップをしたが、まだ順守されていないところもあり、より一層の指導の徹底をお願いする」。
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