豚枝肉相場は底堅い展開、輸入物は船便の遅れでタイトに

 11月も半ばとなり、例年であれば、出荷頭数が増加してくる10月以降は年末の需要期を前に一旦、相場は緩んでいく時期。しかし、ことしはコロナにより内食需要が底堅く推移していることから、現在も相場は500円超えの展開が続いている。東京食肉市場の豚枝肉相場をみると、10月の加重平均は上物価格536円、中物価格499円と、9月からは大きく下落したものの、前年からはそれぞれ30円以上の高値となった。過去10年の価格と比較しても、10月の上物加重平均価格が536円以上を記録したのは2017年(548円)のみであることからも、例年を大きく上回る相場展開となっていることがわかる。
 農水省の肉豚生産出荷予測(10月19日発表)によると、11月の出荷頭数は144万6千頭と、前年同月から2%増の予測。平年並みを見込んでいる。ただ、徐々に出荷頭数は増えているものの、これまでも出荷頭数は想定を下回ることが多い。引き続き量販店などの底堅い需要が下支えし、相場は下がり切らずに年末までいきそうな気配となってきた。
 気温の低下とともに、鍋商材のバラやカタロースなどのスライス系アイテムはさらに引き合いが強まっており、バラには品薄感がある。また、ロイン系は現状の荷動きはそれほどでもないが、年末に向けて引き合いは徐々に強まっていきそうだ。スソ物も堅調な荷動きが続いており、全体的に引き合いは強い。さらに国産冷凍物については市中在庫がかなり薄いため、年末の手当などもある中でバラ系などを中心にかなりタイトな状況にある。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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