全国食肉生活衛生同業組合連合会(肥後辰彦会長)は12日、「食肉販売業における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を策定した。ガイドラインは同日、全肉生連のホームページに公開した。今後、内容を分かりやすく紹介するパンフレットも作成・配布し、普及を図る。
政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が5月4日にまとめた提言の中で、今後、感染拡大の予防と社会経済活動の両立を図っていくにあたって、とくに事業者において提供するサービスの場面ごとに具体的な感染予防を検討し、実践することが必要で、業界団体などが主体となり、業種ごとに感染拡大を予防するガイドラインを作成、業界をあげて普及し、現場で試行錯誤をしながら、また創意工夫をしながら実践していくことが強く求められた。これを受け、提言の中にある「各業種のガイドライン等の作成にあたって求められる基本的な考え方や留意点の例」などに留意しながら、当面の対策を取りまとめたもの。なお、新型コロナウイルスの最新の知見や今後の各地域の感染状況などを踏まえ、ガイドラインは随時見直す。
ガイドラインでは、基本的な考え方を示し、従業員のほか顧客への新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、最大限の対策を講じる。とくに「密閉」「密集」「密接」のいわゆる「三つの密」のある場を避けるとともに、以前から実施している施設の清掃・洗浄や、こまめな手洗い、従業員の健康管理などの一般衛生管理を徹底することで、自己への感染回避と合わせ他人に感染させないよう徹底することとしている。
施設管理者が講ずべき具体的な対策としては、主な感染経路である接触感染と飛沫感染のそれぞれについて、従業員や来店客などの動線や接触などを考慮したリスク評価を行い、そのリスクに応じた対策を検討。施設内の各所における対応策について、留意すべき基本原則と各エリア・場面の共通事項として、対人距離(できるだけ2mを目安に最低1m)の確保、密にならないよう可能な限り従業員や来店客の整理を行うこと(発熱または感冒様症状を呈している者の入店制限を含む)、入り口および施設内のアルコール消毒などの手指消毒薬の設置、もしくはせっけんと流水による手洗い励行、マスク(適宜フェイスガード)の着用、施設の換気、定期的な清掃、高頻度接触部位の消毒、従業員が共通して使用する物品や来店客が頻繁に触れる個所を工夫して最低限にすることや、人と人が対面する店頭等でのアクリル板・透明ビニールカーテンによる遮蔽(しゃへい)などの工夫とその定期的な清掃消毒を提示している。さらに、(1)症状のある者の制限(2)トイレ(3)事務所(4)販売店舗(5)作業場・加工場・倉庫等(6)従業員の休憩スペース(7)ゴミの廃棄(8)清掃・消毒(9)その他—の各項目で具体的な取り組みや留意事項などを示した。
また、従業員の感染管理についても整理。手指消毒や手洗いの徹底、マスク着用、時差出勤、出勤前の体温測定、感染と診断された場合の対応などを明示している。
目次