農水省はこのほど、平成30年農業総産出額および生産農業所得(全国)を公表した。平成30年農業総産出額は、豚、鶏卵、野菜(葉茎菜類)などにおいて生産量の増加から価格が低下したことなどにより、前年に比べ2,184億円減少し、9兆558億円(対前年増減率2.4%減)となった。一方、生産農業所得は、近年、農業総産出額の増加などを主要因として増加傾向で推移しており、平成27年以降は3年連続で増加してきた。平成30年は、農業総産出額の減少などにより、前年に比べ2,743億円減少し、3兆4,873億円(7.3%減)となった。
肉用牛については、近年、「但馬牛」や「神戸ビーフ」などが地理的表示(GI)保護制度に登録されるなど、和牛のブランド化が進展する中で、和牛改良の進展や飼養管理技術の向上などにより高品質な牛肉の割合が増加してきたことから、平成24年以降、肉用牛の産出額は増加傾向で推移してきた。平成30年は、前年に比べ307億円増加し、7,619億円(4.2%増)となった。この要因としては、乳用牛への和牛受精卵移植の広がりや畜産クラスター等の事業により和牛の飼養頭数が増加に転じるとともに、価格も上昇したことなどが寄与したものと考えられる。
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