公益財団法人日本食肉生産技術開発センターと食肉生産技術研究組合は9日10時から、東京・大手町のKDDIホールで、29年度研究開発成果発と表会を開催した。食肉市場関係者など業界から170人あまりが参加聴講した。
発表会に先立ち、関川和孝理事長があいさつに立ち、最近の食肉産業の情勢に触れ「米国を除くTPPの署名が来月にもなされようとしており、EUとのEPA協定など畜産を巡る国際化はますます進展するものとみられる。一方、国内に目を向けると人口の少子高齢化の進行や働き方改革などが取り組まれる中で、わが国畜産の維持向上を図るためには、安全・安心で高品質な食肉生産に取り組むことによって、消費者の信頼を確保していくことが第一である。一昨年国はすべての食品事業者に対してHACCPによる衛生管理を行うことを提案した。今国会では一定の期間をおいて制度化されることが予定されている。制度化にあたってはコーデックスに基づきHACCPの作成となるが、基準Aと弾力的な運用が可能な基準Bが設けられることになる。食肉の処理施設は衛生管理の重要性から基準Aが適用されることになっている。当センターではHACCPを作成するにあたっての手引書の作成を現在急いでいるが、今後手引書に基づく研修会を通じて、全国のすべての食肉処理施設に速やかにHACCPが導入されるよう取り組んでいきたいと考えている」と述べた。また来賓には農水省生産局畜産部食肉鶏卵課の中坪靖史課長補佐らが出席。
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