豚肉マーケット展望—枝肉相場は底堅い、残暑厳しく出荷増えず

 9月も後半に差し掛かり、例年の豚の出荷サイクルでいえば出荷頭数が徐々に増えてくる時期となっているが、依然として全国的に厳しい残暑が継続しており、全国と畜頭数は6万頭台前半から、なかなか増えてこないのが現状だ。
 そのため、枝肉相場は、この時期としては高値となる700円絡みで推移する底堅い展開となっている。例年、枝肉相場は彼岸頃を境に、出荷頭数の増加と合わせて軟調な展開となっていく傾向にあるが、近年の異常な暑さは10月以降も続くことが多く、今年の残暑も長引く予想となっている。昨年同様、生育の不振だけでなく、種付不良の影響による来年以降の出荷頭数減少への懸念も強い。
 一方、末端消費については、それほど強くはないのが現状。前週末から今週末にかけては、2週連続で3連休を控えており、量販店などで特売が組まれるケース等も想定されるが、今秋も相次ぐ値上げや米価の高騰もあり、消費者の節約志向は根強い。また、気温がなかなか下がらず、鍋物商材の提案もしにくい状況にある。結果として引き続き荷動きの中心となるのは、切り落としやひき材に向けた、スソ物となりそうだ。とはいえ、夏場は暑過ぎて不振だったバーベキュー需要の盛り上がりなどにも期待したい。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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