「神戸ビーフ」のサウジアラビア向けの解禁・初輸出を記念し、契約調印式および同国のフェサール王子の歓迎式典が25日、神戸市のポートピアホテルで行われた。当日はエスフーズの村上真之助社長、神戸肉流通推進協議会の神澤友重会長ら、関係者約30人が出席。式典には齋藤元彦兵庫県知事も出席し、王子に謝意を述べるなど華やかに執り行われた。
日本からのサウジアラビアへの牛肉輸出は2020年6月に解禁。ただ、厳格なイスラム教社会であるサウジアラビアでは、牛肉は宗教上、定められた方法で処理されたことを証明する「ハラール認証」を受けたものしか食べることができない。そのため、同国に牛肉を輸出するために去年10月、三田食肉センターが日本で初めて条件を満たした施設として認定資格を取得。ことし2月に神戸ビーフのサウジアラビアへの初輸出が実現した。今後はフェサール王子が新たに設立した法人に食肉を輸出し、そのあと各地に流通させていく方針。
一方、契約を結んだエスフーズにとっても、同国への輸出は7年がかりで実現に漕ぎつけたプロジェクト。同社の山路良平執行役員海外事業部長は、今後、年間150頭の輸出を予定しているとした上で「(現地の)市場規模には大きな将来性を感じている。ただ、フルセットでの輸出となるため、現地ではステーキ材以外の販売が課題となってくる。オンラインや外食事業などでうまく活用していく必要がある」と話す。
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