牛肉マーケット展望—厳しい状況続く、枝肉相場は大きく下落

 年明け以降、牛枝肉相場は大きく下落し、買いが弱い。閑散期であるため仕方ないともいえるが、荷動きがかなり悪く、末端の販売に苦戦がみられる。1月に続いて2月も同じく苦戦する時期。今回は今後の販売を占うため、政府・団体が発表している昨年12月の販売動向を振り返り、傾向を探りたい。
 総務省統計局が公表した昨年12月の家計調査報告(2人以上世帯=1世帯あたり・品目別)によると、牛肉への支出金額は3,084円で3.4%増。しかし購入量は652g(9.7%減)で大幅に減少した。豚肉の購入量は3.9%増、鶏肉が2.0%増。豚・鶏肉は年末も相場が例年よりも高かったが、それでも豚・鶏肉へのシフトが進んでいることが分かる。
 日本スーパーマーケット協会など流通3団体がまとめたスーパーマーケット販売統計調査資料では、食料品売上高が4.9%増。このうち畜産品は5.6%増だった。帰省客増加により年末商戦が好調に推移。すき焼き、焼き肉用など、ごちそうメニュー商材中心に動きが良かったとしている。輸入ビーフについては価格高騰の影響で動きは鈍かった。
 日本チェーンストア協会がまとめた販売統計速報では、販売金額2.9%増、畜産品は2.4%増だった。豚・鶏肉の動きは良かったが、牛肉の動きは鈍かったとしている。
 日本フードサービス協会公表の12月の外食産業市場動向では、「焼き肉」が前年同月比2.3%増となるなど回復をみせたが、企業などの大口宴会需要はなかなか戻らない。外食全体でみると、22年の年間売り上げは13.3%増と前年を上回ったが、コロナ前の19年比では5.8%減だった。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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