自民党の総合農林政策調査会、農林部会、農政推進協議会合同会議が24日党内で開かれ、令和5年度概算要求案について了承した。5年度農林水産予算概算要求の骨子案として、農林水産総額は前年度比17.7%増の2兆6,808億円が提示された。内訳は公共事業費が17.6%増の8,213億円、非公共事業費が17.7%増の1兆8,595億円となった。
概算要求の重点事項として、(1)生産基盤の強化と経営所得安定対策の着実な実施、需要拡大の推進(2)2030年輸出5兆円の実施に向けた農林水産物・食品の輸出力強化、食品産業の強化(3)食の安全と消費者の信頼確保—–などの九つの柱が提示され、とくに食料安全保障の確立と農林水産業の持続可能な成長を推進するための予算要求となった。
畜産関係の予算組みでは、畜産・酪農の生産基盤の強化として、肉用牛の早期出荷の推進、家畜の増頭を支える改良・繁殖、繁殖肥育一環経営の育成などによる繁殖基盤の強化等を支援する「畜産生産体制の強化」に15億円の内数(前年度当初予算9億円)、酪農・肉用牛経営の省力化や事故率低減などに資するロボットやAI、IoTなどの先端技術の導入などを支援する「ICTを活用した畜産経営体の生産性の向上」に10億円(10億円)、コンソーシアムが取り組む食肉流通構造の高度化などに必要な施設や需要変化に対応するための精肉加工施設の整備、スライス肉等の新たな輸出製品の調査や試験輸出などを支援する「家畜・食肉の流通体制の強化」に32億円(29億円)、「草地関連基盤整備(公共)」に3,933億円の内数(3,322億円)を計上。「畜産酪農における環境負荷低減などの取り組み」では新たに「畜産高品質たい肥生産流通促進支援事業」を創設し1億円の予算を要求する。そのほか、家畜衛生等総合対策に70億円(65億円)、「消費・安全対策交付金」に36億円(20億円)などの予算が組まれた。
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