近畿大学生物理工学部遺伝子工学科の松本和也教授、先端技術総合研究所の加藤博己教授、松橋珠子講師らが、このほどAI(人工知能)を用いた「肉用牛の枝肉成績を予測するサービス『AIビーフ』」を開発したと発表した。
肥育段階の肉用牛から血液を採取し、その成分を解析することで出荷段階における枝肉重量や脂肪交雑の度合いなど6項目を予測できるというもの。肥育の初期段階で測定すれば、飼料の配合などを調整することで、従来よりも効率的に枝肉成績の向上が図れる可能性を秘めており、次世代の畜産技術として期待がかかる。
今回、近畿大学の松本教授、加藤教授、松橋講師らの研究グループが開発した「肉用牛の枝肉成績を予測する技術=AIビーフ(商標登録済み)」は、日本中央競馬会の畜産振興事業を通じて「科学的根拠に基づく肉用牛生産方法の確立により、需要に合った品質と重量をもつ肉牛を効率的に生産する」ことを目的に研究がスタート。15年にわたる研究によって、牛の1滴の血液で135種類のタンパク質を同時に定量解析し、将来の枝肉成績を予測する方法を世界で初めて確立した。
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