ポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催された国際養鶏養豚総合展2022(IPPS)の特別講演会で4月27日、東京食肉市場(株)の木村敬専務取締役営業本部長による「2022変動する豚肉の生産と需給動向」と題したセミナーが開催された。セミナーでは、新型コロナの拡大、原油価格の高騰、生産資材や飼料のコスト上昇、SDGsへの関心の高まりなどによる環境変化に関係した、豚肉の需給動向や養豚経営に及ぶ大きな影響などが説明された。要旨は次のとおり。
コロナの影響により、豚肉の家計消費は2020年2月から継続的に前年同月を上回り始め、21年にはやや落ち着いたものの、依然として堅調であることに変わりはない。豚肉消費は全体の50%が家庭内消費となっており、牛肉の30%と比較しても高い数値となっている。ここ2年間で外食での消費が大きく減少したが、その点では牛と比べて豚は難点が少ない。内臓肉などの例外を除き、内食需要による購買の増加も顕著だった。国産豚の供給についても、コロナによる悪影響はあまり見受けられない。国内生産は順調で、21年の全国出荷頭数は1683万7千頭と前年超え。20年以上にわたって1600万頭台を安定して維持している。一方、輸入面においては、欧米各国で食肉生産がストップする事態に陥り、物流の混乱が生じるなどの不安定な状態になった(続きは食肉速報に掲載)
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