飛騨ミートが飛騨牛輸出における産地一体の取り組み説明—自民党(上)

 自民党の農産物輸出促進対策委員会が16日、党内で開催され、畜産物におけるヒアリングを行った。会議には、JA飛騨ミートと三栄鶏卵(株)が出席し、輸出状況や取り組みを説明した。
 冒頭、江藤拓会長は「良い牛をつくり、良い処理をする。そして、どのようにカットするかという問題もある。部位においても地域によって求められるものが変化しつつある。JA飛騨ミートは、市場でもほかの産地より非常に高値で取引されている実績もあり、努力をすることで、国内外で利益をあげることができるという素晴らしい成功事例だと思う」と述べた。
 牛肉における事業者ヒアリングでは、JA飛騨ミートの小林光士代表理事専務から「産地一体で取り組み飛騨牛ブランドの輸出」と題し説明があった。
 それによると、同組合は2010年、飛騨牛のさらなるブランド力向上、販路拡大を目的に香港向け輸出を開始。香港を皮切りに米国・EUなど向けにも輸出を拡大し、現在は14カ国に輸出を展開している。21年度には「飛騨牛コンソーシアム」を設立。飛騨牛生産者団体(6団体)、輸出販売事業者(15事業者)と輸出向け食肉処理施設が連携し、販路拡大に向け産地一体となって取り組んでいる。輸出開始の経緯について「国内の和牛需要が頭打ちになっている中、自国の高級飲食店で飛騨牛を指定することから、東南アジアを中心に海外レストランにおける需要が増加したことや、東京市場相場と年間を通して比較した際、キロあたり500円高と国内トップクラスの枝肉価格であることから、海外輸出に可能性を感じた」と説明した。
 現在では、香港・台湾・EU・米国をターゲットとして重点的に輸出に取り組んでいる。香港への21年度輸出量は27.8t(前年度輸出量23.5t)、台湾へは14.3t(9.9t)。香港においては、輸出当初から右肩上がりで伸びており、高級レストランやホテルを中心に、近年ロースやヒレなどの小割りの需要が増加している。台湾も同様、小割り加工品の販売が好調となっている。一方、EUへの輸出量は11.3t(1.8t)で、赤身肉の人気が高く経産牛の輸出も増加している。米国においては、輸出量が7.2t(2.6t)とし、JA現地法人設立と連携し、東海岸で試食を通じたプロモーションを3月に開催し、今後日本流の加工による飛騨牛の拡販が期待される。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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