家畜改良事業団「生時体重ゲノミック評価技術」が実用化レベル

 家畜改良事業団は日本中央競馬会の畜産振興事業として「肉用牛改良形質情報収集強化事業」を実施している。同事業は令和3年度から3カ年事業で、「生時体重から出荷までの体重に関する形質のゲノミック評価の正確度の向上を図るための情報強化を行い、畜産現場で活用できるレベルで実用化する」ことが事業内容の一つとなっている。そのうち、「生時体重ゲノミック育種価」について検討する遺伝子能力評価精度向上検討会を20日、統計育種学やゲノム研究の専門家の参集を得て開催した。
 開催にあたり松尾昌一専務理事が「肉用牛の生時体重ゲノミック評価技術について、外部の専門家という第三者の立場で専門的・客観的に検証を行ってもらいたい」と趣旨を説明。専門委員により技術的検証が行われ、次のように評価された。(1)種雄牛の遺伝子能力(ゲノミック育種価)を評価するにあたってのリファレンスデータ数(生時体重の表現型約4万頭、SNP情報約1万1千頭)およびその質は十分である(2)今後も継続的にリファレンスデータ(SNP情報、生時体重の表現型、血統情報データ)を収集するシステム構築が進められており、安定した制度の高いゲノミック評価が行える体制にある(3)評価方法は妥当であり、枝肉形質同様に高い正確度が得られている(4)種雄牛の生時体重ゲノミック育種価を表示する場合は、現場への説明を丁寧に行い、さらに有効活用説明を検討してほしい。これらの評価を踏まえて、同団種雄牛の「生時体重ゲノミック育種価」の公表について検討する。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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