自民党の総合農林政策調査会、農林部会、農政推進協議会合同会議が16日、党内で開催され(1)令和4年度予算編成の基本方針(報告)(2)令和4年度農林関係予算(重点事項の折衝状況、大臣折衝事項)などが示されたほか、22日に鈴木財務大臣との大臣折衝に臨む予定である金子大臣の激励と送り出しを行った。
来年度農林水産関係予算の折衝状況として、畜産関係では、家畜の増頭を支える改良・増殖、繁殖肥育一貫経営の育成などによる繁殖基盤の強化、和牛の信頼確保のための遺伝子型検査、公共牧場等の施設・機械の整備などを支援する「畜産生産体制の強化」として、次の予算額を報告。畜産生産力・生産体制強化対策事業=9億円の内数(令和3年度当初予算額9億円の内数)、公共牧場機能強化等体制整備事業=1億円(1億円)。酪農家や肉用牛農家の労働負担の軽減・省力化に資するロボット、AI、IoTなどの先端技術の導入、高度かつ総合的な経営改善に向けたアドバイスを畜産農家に提供するためのデータベースの構築を支援するなど「ICTを活用した畜産経営体の生産性の向上」に10億円(13億円)。酪農家や肉用牛農家が行う温室効果ガスの削減などの取り組み、家畜排せつ物処理施設の機能の強化等を支援するなど「畜産酪農における環境負荷軽減の取り組みの推進」として、環境負荷軽減型持続的生産支援事業=70億円(60億円)、畜産生産力・生産体制強化対策事業=9億円(9億円)。食肉流通の安定と輸出の拡大を図るため、コンソーシアムが取り組む畜産物の流通構造の高度化などに必要な施設の整備を支援する等の「家畜・食肉の流通体制の強化に30億円(25億円)。意欲ある生産者が経営の継続・発展に取り組める環境を整備するため、畜種ごとの特性に応じて、肉用牛肥育経営安定交付金、肉豚経営安定交付金などにより、畜産・酪農経営の安定を支援する「畜産・酪農経営安定対策」に2,296億円(2,296億円)、「家畜衛生など総合対策」に65億円(96億円)、豚熱や鳥インフルエンザをはじめとする家畜の伝染性疾病の発生予防などのため、飼養衛生管理の強化、野生動物でのアフリカ豚熱および豚熱の検査の促進、重要病害虫の侵入防止・まん延防止等の支援をする「消費・安全対策交付金」に20億円(22億円)——。ただし「畜産・酪農経営安定対策」においては、来年度畜産物価格などの決定を踏まえた変更の可能性がある。
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