10月27日に農畜産業振興機構が発表した国産鶏肉の生産量予測は10月が14万7千tで前年比100.1%、11月が14万5,800tで103.8%と前年よりやや増加の見込み。この数字はブロイラー、成鶏、地鶏について、最近の生産量の傾向を基に過去の月別生産量の実績、ひなふ化羽数などから算出されたもの。うちブロイラーが9割を占める。
7日に一般(社)日本食鳥協会が開催した「令和3年度.第1回主要産地協議会」から主要産地(北海道、青森、岩手、宮崎、鹿児島)の出荷実績と見通しをみても、11月以降、来年3月までの出荷羽数は前年実績比を上回って推移する見込み。主要産地全エリア計で11月は4,423万羽(103.7%)、12月は4,761万9千羽(101.8%)、1月は4,237万4千羽(103.0%)、2月は4,046万羽(101.0%)、3月は4,563万羽(101.6%)と見込む。
WEBで開催された同協議会では、内田真朗議長(宮崎くみあいチキンフーズ社長)、日本食鳥協会の佐藤実会長とも、晩秋からの需要期に向けて生産が順調であること、飲食店営業の正常化や、海外産の相場高などを背景に国産鶏肉の需要増が見込まれることについて、明るい表情をまじえて報告がなされた。
10月中旬から下旬にかけては、全国各地の自治体や生産施設で鳥インフルエンザの防疫演習が実施された。昨シーズン、2020年11月から21年3月までに飼養家禽で18県52事例、殺処分数で987万羽という過去最悪の高病原性鳥インフルエンザが猛威を振るった。ことし9月には飼養衛生基準が改訂されるなど、官民とも緊張感をもった対応がなされている。
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