農林水産祭天皇杯に鹿児島県の肉牛農家・森岡夫妻

 農水省と公益(財)日本農林漁業振興会は、第60回となる令和3年度農林水産祭の天皇杯、内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会会長賞の受賞者を発表した。各賞は令和2年7月から3年6月までの農林水産祭参加表彰行事(207件)において、農林水産大臣賞を受賞した345点から農林水産祭中央審査委員会(会長=難波成任・東京大学大学院農学生命科学研究科特任教授)の審査をへて決定したもの。11月23日、勤労感謝の日に明治神宮会館で開催される農林水産祭式典で表彰される。
 畜産農家では天皇杯に肉用牛繁殖農家の森岡良輔、森岡絵理香夫妻(鹿児島県曽於市)、日本農林漁業振興会会長賞に㈲飯田養豚場(青森県上北郡横浜町、飯田一志代表)が輝いた。また、飼料用の米やとうもろこし、稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ)などを生産する㈲あぐりサービス(愛知県知多郡東浦町、小島誉久代表)も畜産部門で内閣総理大臣賞に選ばれた。
 森岡夫妻の受賞理由は両親とともに営む家族経営で「長命連産の優れた繁殖性の長期継続で高収益和牛経営を実現」していること。長期にわたり分娩(ぶんべん)間隔12カ月未満、子牛生産率90%以上、平均産子6産以上の繁殖成績を継続して達成。自家産牛での繁殖牛の更新と増頭を行う。販売子牛1頭あたり所得が33万6000円と、健全で所得率の高い経営を行っている。良輔氏は介護福祉士として働いたあと、平成19年に両親の営む家業に就農。現在は経営主を務めている。また、絵理香氏も介護福祉施設で栄養士として働いていたが、結婚を機に27年に就農した。父で末吉町肉用牛振興会の会長でもある俊弘氏が自らの基本理念「繁殖牛には良質粗飼料を給与する」を実践し、9ヘクタールの畑と2ヘクタールの水田の裏作などで飼料生産を担当。粗飼料自給率100%を達成している。恵里香氏が子牛育成や各種帳簿と繁殖データの管理を担当しながら、義母・ゆき子さんとともに指導農業士も務めるなど「女性の活躍」という点でも高い評価を受けた。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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