山本ビニター(株)(大阪市天王寺区)は高周波解凍装置「テンパトロン」の新型(写真)を発売開始した。高品質の解凍能力はそのままに、自動計測で最適な解凍を行うシステムを導入したほか、炉内を水洗いできるよう清掃性を高めた。
テンパトロンは、冷凍品の内部まで加熱できる高周波の特性を生かし、マイナス20度Cの冷凍原料を5〜30分でマイナス1〜マイナス5度Cまで一気に均一に解凍することができる高周波解凍装置。大型の冷凍品ブロックを、次工程に適したマイナス温度まで短時間で解凍可能。マイクロ波と比べてより深部まで加熱できることから解凍ムラが少なく、短時間でより均一に解凍できる。
また、マイクロ波が対応しにくい脂肪と赤身が混在したブロック肉や、厚みのあるブロックでもムラなく処理できる。部分的なホットスポットが発生しにくく、品質のバラツキが少ない。高鮮度の解凍を短時間で大量に行う能力があるため、大手ハンバーガーチェーン関連企業へ多数納入されているほか、大手コンビニエンス・ストア関連のベンダー企業などでも導入が進んでおり、高速・均一・高効率な省エネ解凍を実現する連続式ラインも幅広い産業で導入されている。短時間で解凍できることから、緊急注文や短納期に対応できるほか、見込み生産によるロスも解消。ドリップを最小限に抑え、歩留まりの減少対策や品質の維持にも最適。
そのテンパトロンの新作として「テンパトロンV(ブイ)」シリーズが新発売された。従来機の「FRT-5型」「同8型」を集約し、リニューアルした「テンパトロンV」、より大型の「FRT-10型」をリニューアルした「同Ⅴ2」を発表。主な改良点は(1)「解凍ナビ」の導入(2)清掃性の向上(3)パススルー機能の導入—–で、(1)は解凍の設定を任意で行う従来設定に加えて、重量、大きさを自動で計測し、最適な解凍を行う「解凍ナビ」設定を導入したもの。(2)については、主な機械部分を上段に移し、カバーなどを簡単に取り外せるよう設計。炉内をシンプルな構造にしたことで、ホースなどでの水洗いが可能となった。(3)は前面だけでなく後面にも扉を設置したことで、汚染区域と準汚染区域の境に設置するなどのゾーニングを可能とした。
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