食品安全委員会は27日、報道関係者との意見交換会をオンラインで開催した。1日から新委員長に山本茂貴氏が就任したほか、7人の委員のうち3人が新任となる新体制となったことを踏まえての催し。質疑応答では「低温調理」「培養肉」など、食肉にかかわるテーマも話し合われた。
さまざまなレシピがSNSなどで飛び交っている肉の低温調理だが、調理科学が専門の香西みどり委員(お茶の水女子大学名誉教授)から「何gだから何分といったアバウトな調理は危険。必ず中心部の温度が75℃で1分、もしくは70℃で3分という原則を守ってほしい」と回答があった。また、将来的には一般的な流通も実現する培養肉の安全性と表示については「あたかも『それ自体が危険』と受け取られない表示方法が検討される。イメージ的には水産物における養殖や産地表示と共通するものだろう」(香西委員)
また、とくに食肉産業に向けて、微生物学、食中毒が専門の山本委員長から「O157、サルモネラ、リステリアなど、食肉や加工品を通して起こる食中毒は多い。中でも国内で最も事故数が多いのはカンピロバクターによるもので、これは夏場の鶏肉の生食で起こる例がほとんど。店頭でも『鶏肉はしっかり加熱して』など、啓発活動への協力をお願いしたい」と要望があった。
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