農水省の令和2年度「食料・農業・農村白書」が25日、閣議決定された。今回の白書では、世界の経済・社会に大きな影響を及ぼしている「新型コロナウイルス感染症による影響と対応」を特集として掲載するなど、農業関係者以外にも広くわが国の食料・農業・農村について理解してもらうことを目ざしている。同白書は、食料・農業・農村基本法に基づき、政府が毎年国会に報告しているもの。コロナの感染拡大による食料消費面や農業生産・販売面での影響と新たな動き、地方への関心や働き方、交流に関する新たな動きなどについて記述している。
冒頭のトピックスでは「農林水産物・食品の輸出の新たな戦略」「みどりの食料システム戦略〜食料農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現〜」「令和元年度スマート農業実証プロジェクト」「農業・食関連産業でのデジタル変革の推進」「鳥インフルエンザ、豚熱への対応」「植物新品種の海外流出対策」「フードテックの現状」の七つのテーマを取り上げた。
鳥インフルエンザは①全国の都道府県に飼養衛生管理の一斉点検②全国一斉の緊急消毒③緊急的な防疫演習、また豚熱は①農場防護柵の設置やエコフィードの加熱基準の引き上げなどの飼養衛生管理の徹底②捕獲強化や経口ワクチン散布等の野生猪対策③飼養豚への予防的ワクチンの接種—–などの対応策を明記している。
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