農水省はこのほど、令和2年度「飼料販売業者の経営実態および物流費上昇の影響ならびに飼料配送業者の経営実態にかかわる調査・分析委託事業」の結果概要をまとめた。農業競争力強化支援法に基づく調査で、良質かつ低廉な農業資材の供給を実現する施策の参考とするために行ったもの。アンケート調査を郵送で昨年7月から9月にかけて行い、飼料販売業者165社、飼料配送業者152社から回答を得た。一部電話調査、訪問ヒアリングも行った。
飼料販売業者における調査結果の全体総括としては、飼料販売会社の経営意向について、現状、生産者は飼料販売会社を通じて飼料を購入している場合が多いことに加え、アンケート結果から「現状維持」と「他社の飼料販売部門を引き継ぐなど、現状より拡大することを考えている」が合わせて83・5%と高く、飼料販売部門の継続意向がある。このため、今後の飼料輸送費などの上昇によるコストアップが避けられないことを考えると、安定した経営を維持するためには、営業利益率を改善する取り組みが必要。また、事業再編が進んでいない要因として、事業者は他の事業(畜産物や農業資材の販売)も行っていることから、各企業の飼料部門の再編がむずかしいといった一面がある。一方、グループ内における飼料販売部門の再編を実施している企業もあり、飼料販売会社の再編の必要性を感じている企業もあるとしている。
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