農水省は、令和2年度農林水産物等輸出促進全国協議会総会を11日、東京都内のホテルで開催した。同協議会は、わが国の高品質で安全な農林水産物・食品の輸出を一層促進するべく、関係者一体となった取り組みを推進することを目的に、2005年に設立されたもの。農林水産業や食品産業、流通などの関係団体(172会員)で構成し、会長を茂木友三郎氏(キッコーマン(株)取締役名誉会長)が務める。日本食海外普及功労者と輸出に取り組む優良事業者の表彰を行うとともに、輸出促進政策の現状と課題を確認した。
総会には菅義偉内閣総理大臣(写真)が出席してあいさつし「農産物の輸出拡大により地方の所得を引き上げることは、成長戦略、地方創生の重点課題として、これまで積極的に取り組んできた」として、自身が秋田の農家の生まれであることにも触れ「所得を引き上げれば、多くの人が地方に帰って農業を後継者としてしっかり育ててくれる。その思いで官房長官としても農業の改革を全面的に支援してきた」と強調。「これまで積極的に取り組んできた結果として、政権交代時と比較して昨年の輸出額は9千億円と倍増した。ことしは年初来、新型コロナウイルスの影響で厳しい状況になったが、直近の10月は前年同月比21.7%増と大きく回復している。さらに輸出額を向上させるために25年に2兆円、30年に5兆円という大きな目標を設定した。その達成に向け、輸出拡大実行戦略を取りまとめた。牛肉をはじめとする27の重点品目を選定し、品目別、国別に目標を設定したところだ。輸出先国のニーズに特化した産地の育成などを支援するとともに、輸出先国の規制に対応した加工施設の整備をしっかりと進めていく。今後とも野上大臣、皆さまと力を合わせ、流通の拡大に向け全力で取り組む」とし、協力を求めた。
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