内閣官房は11月30日、菅総理や野上農水大臣ら関係閣僚を集め、官邸内で「第10回農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議」を開催。「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」を取りまとめ、輸出重点品目27品目や輸出ターゲット国などを決定した。
それによると、27品目のうち食肉関係は「和牛が世界中で認められ人気が高く引き続き輸出の伸びが期待できる」とし牛肉が順当に選ばれたほか、「トンカツや焼き鳥など日本の食文化と合わせて海外の日本ファンにアピールすることで今後の輸出に期待できる」とし豚肉や鶏肉も選ばれ、3大畜種すべてが輸出重点品目となった。
このうち牛肉の具体的な目標については、2025年までの目標として輸出額1,600億円を掲げる(19年実績=297億円)。主な国別の内訳は香港向けが330億円(51億円)、台湾向けが239億円(37億円)で、消費者向け販促プロモーションの強化やスライス肉・食肉加工品など新たな品目の輸出促進によって実現していく。米国向けは185億円(31億円)、EU向けは104億円(21億円)とし、和牛の認知度が低い地域におけるオールジャパンのプロモーション、eコマースのさらなる促進、さまざまな部位を含めた輸出促進などを行っていく。中国については、輸出が再開され次第、輸出認定施設数の増加を行い、400億円の輸出目標を掲げる。シンガポールやマカオなどその他の国ぐににおいては計343億円(158億円)の輸出目標を掲げ、プロモーションや正しい和牛の知識の普及などを行っていく。
一方で豚肉の25年までの具体的な目標は輸出額29億円(16億円)、鶏肉は45億円(21億円)を掲げ、香港などを中心に輸出強化を行っていく。また、輸出に対応する加工・流通施設の整備目標として、25年までに米国、EU、香港などに対応した牛肉処理施設を25件(20年件数=15件)、台湾、シンガポール向けを40件(25件)とし、シンガポール、タイなど向け豚肉処理施設は13件(8件)、香港、シンガポール、EUなど向けの食鳥処理施設は10件(3件)にしていくと掲げた。
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