中畜の令和2年度施設・機械部会トップセミナーが28日、都内で地方創生、SDGs時代の農業戦略などをテーマに開かれた。セミナーには部会員のほか畜産クラスターに参加する金融機関なども参加し、リモートも含め約100人が参加した。
セミナーで福島復興再生総局の末宗徹郎事務局長(前復興庁事務次官)は「地方創生の展望」を演題に講演。末宗氏によると、2014年に40年に若年女性人口が5割以下に減少する「消滅可能性都市」が指摘されたことから、地方創生の機運が高まった。これを受けて地方創生に関する法律「まち・人・しごと創生法」がつくられ、同法で人口の減少に歯止めをかけるとともに東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住み良い環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、まち・人・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施していくとされた。
地方創生に関連して人口の都市への集中問題があり、以前から現在に至るまで、就学や就業の際に東京圏に若者が流入する構造となっている。しかし新型コロナによりテレワークの活用が進むとともに、首都圏で地方移住の関心が高まっている。この機をとらえ、東京一極集中の流れが大きく変わっていく可能性があると指摘した。結びに末宗事務局長は「地方自治体だけでなく、それぞれの地域で中核を担う企業がどうすれば自分たち地域が元気になるかという視点をもってほしい」と語った。
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