農水省は、令和2年度補正予算により、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた和牛肉等の需要喚起を図るため、学校給食への提供や外食産業等への販売促進の取り組みを支援する「和牛肉等販売促進緊急対策事業」(予算額1,368億4千万円の内数)の事業実施要領を定めた。同事業は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うインバウンド需要の減少や輸出の停滞等により、在庫が同月比20%以上増加しているなど深刻な影響が生じている食肉について販売促進を行うことで、将来のインバウンド需要や輸出の再開等に対応できるよう、(1)学校給食提供推進事業(2)外食産業や観光業等と連携した販売促進事業—を実施するもの。事業実施期間は今年度末まで。
学校給食提供推進事業では、文科省と連携して、小中学校等の学校給食でのさまざまなメニューを通じて、和牛肉等のおいしさや魅力を伝える。都道府県が事業実施主体となり、取組主体として畜産・食肉関係協議会等を設置し、関係者が連携して行う学校給食への和牛肉等の提供、食育活動などを支援する。
対象となる食肉(和牛肉等)は、新型コロナウイルスの影響により、当該食肉の在庫数量が前年同月の在庫数量に比べて20%以上増加した牛肉(牛トレーサビリティ法施行規則に掲げる品種)のほか、地鶏肉も含まれている。なお、これら以外にも、新型コロナウイルスの影響で、卸売価格が前年同月の卸売価格に比べて20%以上低下していることなど三つの要件をすべて満たす食肉は対象品目に追加される。
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