兵庫県の食肉市場である和牛マスター食肉センター(姫路市食肉地方卸売市場)の荷受会社である姫路畜産荷受(株)は4月30日、生産者支援のため新型コロナにより販売価格が急落している「神戸ビーフ」を、相場を上回る一定価格で買い上げる緊急対策を講じると発表した。
買上金額は枝肉単価1kgあたり税別2500円。買上予定頭数は700頭。神戸肉流通推進協議会の賛同のもと実施するもので、集荷対象は流推協認定の「神戸ビーフ」。令和2年5月1日と畜分から頭数到達日までの相対取引分。せり販売は従来どおり並行して行っていく。緊急対策総準備金は10億円で、借り入れなどで調達する。買い上げた枝肉はセンターで部分肉にし、外部冷凍庫に保管。状況をみながら、流推協に加盟する卸売業者らの協力体制を得て販売していくとしている。
神戸ビーフは輸出拡大とともに、その品質と厳格な規約による品質管理が評価され、国内外で高い地位を獲得。しかしながらコロナ問題でインバウンド需要が急落し、輸出もストップしたことで相場が急落。流推協によると、ことし1月初旬は平均単価3千〜4千円だったが、4月下旬には1,800〜2,100円となった。肥育農家における現在出荷分の生産費は110〜140万円に及ぶため、現状の枝肉420kg換算の販売価格80万〜90万円では到底、採算が取れない。
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