新型コロナ対策で中小企業や学給休止への対応、食肉卸・小売も

 政府は10日、新型コロナウイルス感染症緊急対応策第2弾をとりまとめ、このうち中小企業・小規模事業者向けの支援では、経産省が第1弾の緊急対応策で措置した5千億円規模の支援策に加え、新たに金利引き下げ措置を盛り込んだ特別貸付制度を創設するなど、1.1兆円規模の貸付・保証枠を確保する。これにより中小・小規模事業者対策は、総額1.6兆円規模での資金繰り支援が行われることになるなど拡充・強化された。また、学校給食休止への対応で、食品納入業者、給食調理業者、酪農家などへのキメ細かい各種支援を実施することも盛り込まれた。農水省は学校給食休止への対応として、地方公共団体などの学校給食費に相当する費用を支援し、また学校給食関係の事業者について、給食再開に向けた安全・安心の確保と食品ロス対策を支援。具体的には、食品納入業者や生産者などに対し、学校給食用に納入を予定していた野菜等の代替販路の確保に向けたマッチングなどの支援や、販路が確定できない場合の慈善団体等への寄付のための輸送費などの支援を行っていく。新型コロナウイルスの国内外での感染拡大とその影響により、食肉卸・小売業者の販売および経営も大きな打撃を受けている。訪日観光客は大幅に減少しインバウンド需要が著しく低下する一方、政府は不要・不急の外出を控えるよう呼びかけ、またイベントなどの自粛や学校の休校を要請。これらを受け、ホテルなどの観光業、飲食店など外食産業の販売不振は深刻で、そこに納入する食肉卸関係業者の経営・販売もきわめて厳しい状況にある。予定されていたホテル・レストランや飲食店等への納入もキャンセルが相次ぎ、さらに休校で学校給食も中止となり、食肉の不良在庫化や損失の発生が懸念されている。
 食肉小売店も外出が避けられるようになる中で商店街などから客足が遠のき、厳しい経営を強いられている。量販店では買いだめ、まとめ買いがあり年末以上の″特需"となっているケースもみられるが、日用品、保存期間の長い加工食品や冷凍食品などを中心に購買行動。食肉専門店などではそうした動きはみられず、逆に量販店での消費が強まるあおりを受け、販売の厳しさは増している。こうした中、政府の中小企業対策や学校給食休止への対応支援なども活用し、この難局を乗り切っていきたい。
 一方、全国食肉事業協同組合連合会(河原光雄会長)、全国食肉業務用卸協同組合連合会(鼻岡房夫会長)、首都圏食肉卸売業者協同組合(寺師孝一理事長)、日本食肉流通センター卸売事業協同組合(三留晃理事長)、一般社団法人日本食肉協会(布川勝一会長)の5団体は4日付で、農水省に対し、新型コロナウイルスによる感染症拡大に伴う対策の実施について要望書を提出。食肉卸・小売業者に対し、資金融通の円滑化対策、雇用調整助成金の拡充対策、学校給食の休止対策について万全を期すよう強く要請した。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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