公益(財)伊藤記念財団はこのほど、「平成30年度食肉に関する助成研究調査成果報告書(VOL.37)」を刊行した。昨年度の助成事業で実施された84件の研究成果報告を取りまとめたもの。このうち「ASF(アフリカ豚コレラ)の侵入リスク評価に関する疫学研究」(東京大学大学院農学生命科学研究科・杉浦勝明氏、芳賀猛氏)では、迅速リスク評価を行い、世界のASF専門家の意見を基に日本への侵入経路として可能性の高い経路、侵入源として可能性の高い国などを特定した。また、リスク評価の結果を踏まえて実施した養豚農家を対象とするアンケート調査の結果、養豚場での外国人労働者の雇用状況、残飯給与の実施状況などに関するデータを入手。日本へのASFの侵入リスクが増大している状況下で、これらは行政機関と養豚農家によるリスク管理に有用な情報を提供するものであり、今後さらに精緻なリスク評価を進めていきたいとしている。
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