「野生の鳥獣肉=ジビエ」の言葉を耳にするようになって久しい。主に発信源は小規模のレストランなど外食業中心だが、「供給元」である山間部地域でも動きは活発。ジビエ振興がとくに盛んといわれる長野県など山間部を多く持ち、鳥獣被害に頭を悩ませる地域では近年続々と、猪・鹿肉の加工処理施設が新設されている。
これは従来、猟師とその周辺の地域住民の間で捕獲・流通していたジビエ肉を、新たな地域の特産品として利活用することで、結果として鳥獣害対策にもつながるという「一石二鳥」のプランを各自治体が採用し、多くの予算を補助しているためだ。
思惑どおり、ジビエ加工施設が全国に増えていくことで流通量が増え、将来的にジビエは「牛・豚・鶏肉」に続く新たな食肉としての認知度を確保していくのか。現状の課題とそれに向けての取り組みを紹介する(記事全文「週刊 食肉通信」2016年10月25日号掲載)