「かづの牛」が新たにGI登録 かづの牛振興協議会・加藤義康会長「次の時代に橋渡しを」

 農水省は1月30日、かづの牛をはじめとする農畜産物、加工品6産品を地理的表示(GI)として登録した。
 GI保護制度は、その地域ならではの、自然的、人文的、社会的な要因・環境の中で育まれてきた品質、社会的評価などを有する農林水産物・食品の名称を、その地域における知的財産として保護するもの。
 今回の登録にあたって同日、登録証授与式が省内で開催された。
 冒頭、庄子賢一農林水産大臣政務官(写真右)は「GI保護制度も本年で10周年を迎えた。今回の登録により、国内の登録産品は150を突破した。GI登録を産地の活性化や輸出の拡大につなげるだけでなく、訪日外国人によるインバウンド市場の拡大に活用している地域もあるときく。ことし4月には、大阪・関西万博が開催されるため、さらなるインバウンド需要の増加が期待される。農水省では、地域のストーリーある産品の付加価値向上に向けて、引き続きGIを活用した模倣品の取り締まり、地域の活力向上に貢献していきたい」と述べた。
 続いて、かづの牛振興協議会の加藤義康会長(写真左)は「平成24年には、地域内一貫生産体制を強化し、かづの牛振興協議会を立ち上げ、今日に至った。地元の大きな熱意があればこそのもの。かづの畜産共進会は、大正時代から開催され、昨年107回を迎えるほどの歴史的な共進会となっている。昨今の健康志向や赤身嗜好を背景に首都圏を中心にたくさんのオファーがきている。畜産をめぐる情勢は厳しいが、今回の登録を機に、若手の後継者たちにはかづの牛を増頭させ、地域づくりに励んでもらいたい。歴史と伝統、文化を踏まえたこのかづの牛を次の時代に橋渡ししていけるように、誠心誠意尽くしていきたい」と登録の喜びを語った。「かづの牛」については次のとおり。
 鉱山地帯であった鹿角地域は、日本短角種のもととなる「南部牛」を江戸時代から使役しており、現在も日本短角種の主要生産地となっている。地域が一体となって、公共放牧場や牛舎の整備、肥育技術指導を行い、夏季は放牧、冬季は牛舎で飼養する「夏山冬里方式で育て、しょうゆかすや稲発酵素飼料、りんごかすなどの地元由来の飼料も給餌するなど、地域内一貫生産体制を確立している。「かづの牛」は脂肪分が少なく、おいしさのもととなる遊離アミノ酸を多く含むことが特長。適度な歯応えや、かむごとにます味わいが実需者や消費者から高評価を得ており、全国的に短角種の生産が減少傾向にある中、出荷頭数は増加傾向にある。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次