大型ブロック肉も均一・短時間で解凍する高周波解凍装置「テンパトロン」を製造・販売する山本ビニター(株)(大阪市天王寺区、山本泰司社長)は、生産拠点である大阪府八尾市渋川町にある八尾工場の全面リニューアルを実施する。第1期工事が2025年7月着工、26年10月竣工予定。第2期が26年12月着工、28年11月竣工予定となっている。
同社は電波(高周波、マイクロ波)を活用した加熱装置のトップメーカー。高周波解凍装置のテンパトロンは、マイクロ波より深部まで加熱できる高周波の特性を生かし、厚みがある冷凍原料もムラなく均一に解凍できる。
高鮮度の解凍を短時間で大量に行えるため、外食チェーン関連企業へ多数納入されているほか、大手コンビニエンス・ストア関連のベンダー企業などでも導入が進んでおり、高速・均一・高効率な省エネ解凍を実現する連続式ラインも幅広い産業で導入されている。
同社は生産拠点として八尾工場と、その対面にある久宝寺工場の2拠点を有する。このうち八尾工場を拡大し、装置開発・製造機能を集約することで生産性を高め、装置生産量を最大2・5倍に引き上げるとしている。この拠点を中心に電波加熱装置市場の拡大を図り、カーボンニュートラル実現に向けた誘電加熱技術の普及を目指す。
リニューアル計画では、第1期として、八尾工場に隣接する新たな敷地に新工場を新設。完成後に現八尾工場の機能を新工場に移設する。第2期には現八尾工場を解体し、第1期新工場と接続する第2期新工場および管理・設計棟を建設する。第2期新工場は、高さ11・5mの大型装置製造に対応する大型生産工場で、両工場で現八尾工場の2倍の延べ床面積となる、開発機能と生産機能が統合した新たな拠点が完成する計画となっている。
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