全国各地から500頭のえりすぐられた牛が出品される東京食肉市場最大の牛枝肉の祭典、農林水産祭参加事業、令和6年度全国肉用牛枝肉共励会が10月22〜25日に開催された。
厳正なる審査の結果、群馬県の(株)加藤牧場が出品した黒毛和牛去勢牛(父「福之姫」、母の父「安福久」、母の祖父「忠富士)が名誉賞および農林水産大臣賞に輝いた。枝肉の重量は582kg、格付A5、BMS No.12、歩留まり基準値83・5、ロース芯面積が126平方cm、バラの厚さが9.8cmと大きく迫力があり、(株)丸富商店(野田英社長)がキロ当たり1万6,686円で落札した。
同社の名誉賞受賞は初めて。加藤秋男社長(写真右)は「うれしいの一言。25歳から肥育を始め50年たった。農場では和牛6千頭を飼育し、繁殖と自給飼料の生産を行っている。入賞牛はうちで生産した飼料を食べて育った。素牛は北海道から導入した牛で、モモが張り、体型が良かったが、まさか受賞するとは思わなかった」と受賞の喜びを語った。また、購買した野田社長(同左)は「バランスがよく、食べておいしそうな牛。厳しい状況が続いており、生産者を応援し、消費者にも喜んでもらいたいと考え購買した」と述べた。丸富商店の名誉賞牛購買は5年連続。
競り後に行われた褒賞授与式では、共励会会長として東京食肉市場の小川一夫社長が「肉用牛経営の環境は飼料価格の高止まり、人手不足など厳しさが継続。一方で、諸物価の値上がりにより高級食材である牛肉消費は逆風が吹いている。このような状況だが、国産牛の生産意欲向上に資するため、全国を代表する肉牛が東京市場に集まったことは有意義なことだ」とあいさつ。来賓あいさつに続き、小倉弘明審査委員長が審査報告を行った(続きは食肉速報に掲載)
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