小里新農水大臣就任会見、次の世代に継承される農政を

 小里泰弘・新農水大臣は2日、農水省に初登庁し、就任会見に臨んだ。
 冒頭、小里大臣は拝命を受け「農林水産省で最も大事な使命、役割は国民に安全・安心な食料を安定的に供給していくことだと思っている。そのため、食料安全保障の強化、確立に全力で取り組んでいく。具体的には、先の通常国会で成立した改正食料・農業・農村基本法に基づく新たな基本計画を今年度中に策定する。まず、第1に食料安全保障の強化、そして環境と調和のとれた食料システム、みどり戦略を中心としたものを確立していきたい。農業経営者が希望を持って従事していける環境を作っていく。輸入依存という観点では、食料自給率の低い品目、麦や大豆、飼料作物を増産していく。関連して水田政策の見直しも行っていく。初動の5年間を農業構造転換集中対策期間と位置付け、集中的に計画的に当たっていく。わが国の農林水産業、食品産業は、国民に安定的に食料を供給する役割を果たしながら、地域の経済を支え、国土を守り、文化を守っていくという重要な役割を持っている。次の世代に着実に継承され、食料安全保障が確保されるよう、2万人の職員の力を借りながら全力で当たっていく」と語った。
 会見では抱負を問われ、「政界に入ってからも、農林水産分野というものを、自らの柱として取り組んできた。国際情勢、国内情勢、大変厳しい課題の中、正念場にあるのが農林水産行政だと思っている。現場の声を大事にしながら、国民の声をききながら、農林水産業、食品産業を含め、未来へつなげていく」と決意を示した。
 畜産関係では、子牛の取引価格などに触れ「枝肉価格の低迷、配合飼料価格の高止まりを大きな背景として、肥育農家の購買意欲が減退している。その結果、肉用子牛の取引価格が昨年と比較し、大幅に下落している。これに対して、必死に議論をしながら各種対策を繰り出してきた。一つに、肉用子牛生産者補給金をもって経営の下支えをすることが基本だが、子牛の平均売買価格が60万円を下回った場合、生産者にさらなる支援をする臨時対策を講じている」と説明したほか、繁殖雌牛の高齢化が価格の低迷につながるため、これに対する支援を進め、今後も価格の動向を注視しながら、繁殖農家の経営安定を図っていくとした。
 さらに、和牛枝肉価格については、「物価上昇に伴う、消費者の生活防衛意識から高級品に手が届きにくいことから、枝肉相場も軟調に推移している。そのため、さらなる輸出拡大に活路を求めていきたい。米国、EU、イスラム諸国への輸出促進、また、新たな輸出先国の開拓を行っていく。国内需要については、フルセットでの販売や、高価格帯部位の需要開拓に取り組む場合の支援も行う」と示した。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次