近江肉牛協会(正田忠一会長)は8日、令和6年近江牛枝肉研究会を東京食肉市場で開催。滋賀県内で長く飼養されたえりすぐりの近江牛30頭(雌27頭、去勢3頭)が出品された。同研究会は、近江牛の生産増強と肉質向上を図るため、東京でその真価を問い、今後の飼養管理合理化、肥育技術向上を促進し、併せて食肉流通の改善に資することを目的としている。
厳正な審査の結果、最優秀賞1席には、(有)岡崎牧場の出品牛(雌、枝肉重量448kg、ロース芯面積80平方cm、バラ厚7.3cm、BMS No. 12)が輝き、競りではキロあたり5,001円(税抜き)でエスフーズが購買。岡崎正晃代表は受賞の喜びに加え、「漠然と牛を飼うのではなく、導入から出荷まで、最終的にどこにいくのかまで意識している。頭数を絞ることで牛の環境もさらに良くなり、1頭の単価をしっかりと上げていきたい」と強調した。
審査講評で、東京食肉市場㈱営業本部牛肉営業部の早瀬政貴部長は「全出品牛がA5であったことからも今回の研究会が非常に素晴らしい成績であったことがうかがえる。また、BMSについても雌の平均が10.9、去勢が11と申し分なく、非常にレベルの高い牛がそろっていた」と講評。さらに「この10年間で5等級の発生率は2倍以上に高まっている。品種改良や飼養管理技術、飼料など、さまざまな背景があると思うが、これだけ5等級が増えた中で、同じ5等級の中でも格差がついている。ブランド力、知名度、歴史など、さまざまな理由があると思うが、やはり一番はモノとしての評価になる。今回も数字というよりも品質、モノづくりとして評価できるものを選出した」と説明。最優秀賞1席牛については「体型も非常に良く、サシも充実しており、肉色や脂質についても非常に高く評価された」と評した。
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