牛肉マーケット展望—振るわぬ和牛需要、代替で交雑牛は高値に

 東京食肉市場におけるA5等級の和牛枝肉去勢の月間加重平均価格は、1月がキロ当たり2,624円(前年同月比1.7%高)、2月が2,603円(2.2%高)、3月が2,553円(2.3%安)、4月が2,523円(4.5%安)、5月が2,491円(3.4%安)。月を経るごとに低下しており、見事に右肩下がりの状況となっている。これは何も東京市場に限らず、全国的な流れとなっている。
 近年、全国的に和牛生産量が増加傾向にあり、1頭当たりの肉量も増加している中、消費者の節約志向の強まりから高級品の買い控えがみられることが主な要因と考えられる。また特徴的なのは、1〜2月は前年の数字を上回っていたが、3月から前年を下回り続けていること。6〜7月も同様の傾向が続くとみられ、和牛販売は引き続き厳しそうだ。
 一方、交雑牛については、B3が1月に1,519円(2.5%高)、2月1,556円(12.8%高)、3月1,541円(6.9%高)、4月1,607円(6.4%高)、5月1,590円(5.5%高)で、価格の流れとしては例年と大差なく、例年並みの荷動きをしたことがうかがえる。和牛相場が前年を下回る一方で、交雑牛の相場は堅調だ。おおむね前年を5%以上上回る価格で推移しており、十分な需要に支えられている。和牛との対比をみれば、和牛から交雑牛へという節約傾向を表しているといえるだろう。
 国産牛のパーツ販売に目を向けても、販売が堅調なのは交雑牛だ。交雑牛は各部位いずれも引き合いが良いのに対し、和牛はスソ物中心の売れ行きとなっている。焼き材と引き材は動きがあるが、それ以外は弱い。6月中はこの流れが続くだろう。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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