全国食肉事業協同組合連合会は24日、東京都港区のグランドニッコー東京台場で令和6年度通常総会を開催した。役員改選では、村上幸春会長(大阪、写真)をはじめ、副会長の倉持繁夫氏(千葉)、二川隆一氏(香川)、専務理事の木村元治氏(学識経験者)、常務理事の清田浩徳氏(大分)を再任。副会長には中野直幸氏(福井)、常務理事には石岡晃一氏(青森)、加藤功氏(愛知)、垣本隆司氏(広島)を新たに選任した。
村上会長は冒頭、「食肉業界において社会経済が不透明な中、急激な円安もあり、原材料などの高騰、労働力不足等、厳しい状況が続いている。全肉連は各道府県肉連と連携して、これまでにも増してより一層の組織力の発揮を求められているところだ。農水省をはじめとする関係団体のご指導の下、各道府県肉連が団結し、業界の発展に努める」とあいさつした。
また、来賓として農水省畜産局食肉鶏卵課の猪口隼人課長は「農水省としては、引き続き国内外の需要拡大の取り組みをしっかりと後押ししていきたい。全肉連には、和牛肉需要拡大緊急対策事業で和牛肉の消費拡大に取り組んでいただいている。また、食肉事業者の健全な経営発展に向け、引き続き安全・安心な食肉の安定供給にご尽力いただくよう願っている」と祝辞。
同じく来賓の農畜産業振興機構の天羽隆理事長は、「昨今、和牛肉の需要が軟調に推移している。肉のおいしさ、栄養に加え、安全・安心などの情報を消費者に提供する役割がますます重要になる」とあいさつ。
続けて、公益㈳日本食肉協議会の本川一善会長は「急激に進んだ円安が物価の上昇を招く懸念から、消費者の警戒意識が強まっている。その中で、2月29日には有楽町駅前で和牛肉のキャンペーンを実施していただき、消費者の方がたも楽しんでいた。そういったものを今年も支援しながら、一緒になって取り組んでいきたい」と話した。
6年度事業計画などの提出議案は全て原案どおり承認。今年度の事業計画としては、各道府県肉連などとの連携をより一層強化して、共同仕入事業を通じて安定的な国産牛肉・豚肉の仕入れ、販売を推進する。加えて、全国共通「お肉のギフト券」の販売強化、小型保冷車などの共同購買、信頼確保に向けた適正表示の推進、個性的で活力のある店舗展開の支援に努める。また、「和牛肉需要拡大緊急対策事業(5年度補正予算)」で食肉専門店の和牛肉販売を促進するとともに、HACCPの記録の習慣化による食肉販売業・食肉処理業のHACCP手法の普及定着に注力するほか、肉の食育推進や「肉の日」キャンペーン展開など、各種事業に取り組む—–としている。
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