公益(社)中央畜産会は11月29日、第63回農林水産祭参加行事として令和5年度全国優良畜産経営管理技術発表会を東京都千代田区の都市センターホテルで開催した。井出道雄副会長は開会に先だち「優れた畜産経営の管理技術の普及を図るため、昭和61年から開催している伝統ある発表会で、これまでも農林水産祭で天皇盃、農水大臣賞など受賞者を生み出してきた。昨年の最優秀賞を獲得した有田牧場と倉持ピッグファウムは第62回農林水産祭でそれぞれ天皇杯、日本農林漁業振興会会長賞の栄誉に輝いている。これに続く事例が現れることに期待するとともに、きょう、発表される新たな技術を多くの方が取り入れ、畜産業のますますの発展に寄与するものと確信している」とあいさつ。
8事例が発表され、最優秀賞に㈱蔵王ファームの「繁殖から肥育・加工・販売まで一貫体制による安全・安心な牛肉を提供—創業から変わらない原点、それは牛への愛情—」が輝いた。発表を行った高橋勝幸氏は高橋食肉畜産㈱代表取締役社長で、山形県食肉公正取引協議会長、県肉連理事、東北・北海道食肉協議会常任理事など食肉団体の要職を務めている。
審査委員長を務めた東京大学の眞鍋登名誉教授は審査講評で蔵王ファームについて「肉用牛の生産から加工、流通、小売、飲食業まで、まさに肉用牛一貫経営を実践。機械化で効率と収益性の向上につなげている。稲わら、飼料用米を供給する農家に堆肥を無料提供するなど、農畜連携と循環型農業を実現している。地域にグループ全体で200人の雇用を生み、うち女性が3割を占め、レストランなど女性の活躍の場を広げている。また、非常に広い意味でのアニマルウエルフェアを具現化している」と述べた。
