厚労省が発表した2022年の食中毒発生件数は962件(前回より245件増)と4年ぶりに増加に転じたが、患者数は6,856人(4,224人減)と減少傾向が続いている。
年齢階層別にみると20〜29才が最も多く、次いで70才以上が多い。都道府県別に事件数が多かったのは北海道の111件(患者数142人)が最多で、次いで東京都104件(519人)、福岡県81件(393人)、神奈川県68件(528人)。患者数が多かったのは愛知県の573人(事件48件)が最多で、神奈川県528件、東京都519件、兵庫県466件(10件)と続く。
死者が発生した事例は5件で、食肉関係は、22年8月に京都府の販売店で提供された肉総菜(レアステーキ、ローストビーフ)によるO-157集団食中毒事件(死者1人、患者数40人)。
事件数の割合を原因施設別にみると、飲食店が39.5%を占めており、不明30.0%、家庭13.5%、販売店9.0%、給食施設などの事業場が2.6%と続く。同じく事件数の割合を食品別にみると、その他・不明(47.4%)を除くと、魚介類の割合が一番高く39.9%、次いで複合調理品(コロッケ、ギョーザなど2種以上の原料により混合調理、加工されているもの)5.2%、野菜およびその加工品3.6%、肉類およびその加工品は3.0%と続く。病因物質別にみると、寄生虫が60%を占めており、細菌が26.8%、ノロウイルスが6.5%。このうち細菌ではカンピロバクター・ジェジュニ/コリが75.8%を占めている。
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