牛肉マーケット展望—下旬から上昇予測、豪州、米国ともに先高感

 3月に入り、量販店も棚替えの時期に入った。これからスライス物から焼き材にシフトし始めるため、新たな仕入れが行われているが、国産牛部分肉ではカタ、モモなどいくつかの部位は動いたものの、あまり荷動きは改善していない。とくに高級部位のロースは厳しい。カタロースについてはスライス需要があったため一定の引き合いがあったが、この先、それもなくなるだろう。
 3月は国産牛枝肉相場も後半には上昇傾向となる見通し。ただ、中旬までは活気付かないか。4月に入れば、5月の大型連休を前に引き合いが増すだろう。観光庁が2月15日に発表した「旅行・観光消費動向調査」(速報ベース)によると、2022年10〜12月期の日本人の国内旅行消費額は5兆12億円。この数字は新型コロナ前の19年の同期比で0・6%減と、コロナ前の水準までほぼ回復している。ちなみに前年同期比では47・5%増となる。
 このことからみても、よほどコロナの状況が変わらなければ、海外旅行が増えるとしても、国内観光需要の回復、帰省需要の回復が見込める。仕入時期・タイミングを熟慮する必要があるだろう。
 輸入ビーフに関しては、豪州・米国ともに全体的な動きは鈍い。豪州産はことし2月までの動きが悪く、クリスマス休暇前にまとめて仕入れた分が残っており、その在庫活用が進められてきた。その後、2月は通関が1度しか切れなかったため、現在はそこまで在庫過多ではない。とくにランプ、ストリップロインは値段が高いため仕入れを抑制しており、品薄となっている。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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