牛枝肉を部分肉に加工する技術を評価・継承させるための取り組みとして、兵庫県食肉卸事業協同組合が県などと協力し、進めている「兵庫県牛肉マイスター」制度。その認定者4人を集めて技術を競う「牛枝肉処理技術コンテスト」の第1回が20日、兵庫県姫路市のエスフーズ(株)姫路支店を会場にして開かれた。参加者の中から最優秀賞受賞者を1人決め、3月下旬に発表する。
同組合では、牛枝肉を部分肉に加工する技術が失われつつあるとし、その技術を残していくための一環としてこれらの取り組みを実施している。今回は、兵庫県牛肉マイスターの中から最優秀賞(チャンピオン)を選ぶ初のコンテストを開催。最優秀賞受賞者には兵庫県知事賞が贈られる。今回の出場者は大正(株)徳田浩司氏、(有)うらい川村将紀氏、エスフーズ(株)山田拓氏、境野友久氏。審査員は組合の平井敏樹副理事長、公益社団法人全国食肉学校教務部の田中智洋氏、公益社団法人日本食肉格付協会業務部の小林淳二部長。また兵庫県からは畜産課の中家一郎課長、畜産課肉用牛振興班の松尾大輝氏、式薫氏が出席した。
コンテストは概要説明のあと、抽選でそれぞれ競技を行う半丸枝肉の割り当てが行われ、続いて手指などの衛生・安全検査が行われた。そして競技に移り、4人の選手は牛枝肉の大分割をスタート。それぞれのやり方を踏まえながらも、指定に沿った分割が行われた。大分割終了後は、審査員がそれぞれの形状を審査し、その技術の良しあしを確認・記録。大分割に続いて、部分肉製造競技を開始。こちらも同様に終了後に審査員が審査を行った。各部位を傷つけずに、また歩留まり良く分割し、いかに早く、正確に分割できるかが重要になる。審査結果や講評は各選手にフィードバックされ、さらなる技術向上に役立てられる。
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