自民党の農産物輸出促進対策委員会が9日、党内で開催され、香港およびシンガポールのプラットホーム(PF)についてヒアリングなどを行った。ヒアリングの説明者として、JFOODO香港代表の青戸直哉氏、在シンガポール大書記官の内山智晴氏が現地からオンラインで参加した。
冒頭、農産物輸出促進対策委員会の上月良祐委員長は、「輸出額については、前年より1カ月早いペースで1兆円を達成することができた。円安の効果もあるが、伸びるだけでは良くない。しっかりと稼げているか、量でみるとどうかなど、しっかり分析をしていく必要がある。現在、現地で海外需要の把握や商流構築などを行う輸出支援PFは、6カ国で展開している。戦略を現地発にすることは非常に大きなポイントである」とあいさつ。
青戸氏によると、香港には、日系・香港系それぞれのレストラン協会に加え、卸などの食品関係者が組織化された協議会があることが強みであるが、民間企業の自己負担による取り組みに依存していたこともあり、十分に活性化していなかった。しかし、PFができたことで、民間企業1社では困難な実証をPF予算で支援するなど協議会の活性化につながった。
また、香港では香港系の企業でも日本産を多く扱っている事業者も多く、PFを活用し、現地事業者と一体的に行う食育など、短期的な成果を得にくい中長期的な取り組みを推進していく。今後の取り組みについては、香港最大の食の展示会FoodExpoで、品目団体や自治体などを取りまとめる総合受付をPFが担うことや、ジャパンフェアの開催などが報告された。
内山氏によると、シンガポールにおける日本産食品普及については、韓国など他国産品との競合、自治体が散発的にプロモーションする費用対効果、食べ方・魅力発信の必要性、購入層を厚くする、とくに中間層向けに日本産品の魅力発信をしていくなどの課題がある。
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