第63回米沢牛枝肉共進会(主催=米沢牛銘柄推進協議会)が1日、米沢市食肉センターで開催された。共進会には73頭が出品され、このうち5等級が約80%と、高品質な枝肉がそろった。コロナ禍による行動制限が徐々に解除され、今年度はコロナ禍前の平均取引価格を上回る実績が続いていたが、平成30年共進会、平成27年共進会に次ぐ過去3番目の高値取引となった。この背景にはコロナ禍による内食需要の高まりが続く一方で、年末需要に相まって全国旅行支援やまがた旅割などにより、観光需要も回復してきたことがあげられる。全国的には、これほど価格が回復した銘柄牛はほかに見当たらないとの声もきかれ、関係者一丸となったブランディング、品質向上に向けた取り組みにより、米沢牛は選ばれる存在としてさらに成長しているともいえる。飼料をはじめ、あらゆる物価が高騰する中で、生産者も安どした結果となった。
開催にあたり、米沢牛銘柄推進協議会の中川勝会長(米沢市長)は、「これからも、銘柄推進に取り組みながら情報発信したい。われわれは米沢牛に誇りをもっており、本日も良い商いが行われることを期待したい」と語った。続いて、㈱米沢市食肉公社の佐藤康寛社長は「安全・安心な食肉を提供することはもとより、米沢牛のますますの発展に尽力していきたい。生産者が丹精を込めた73頭。購買者には高値取引を切にお願いしたい」と呼びかけた。
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