メキシコ最大の養豚企業GCM、日本市場でチルドポーク拡大目ざす

 メキシコ最大の養豚企業であるGCM。1993年にECOMグループと全米最大の養豚企業であるスミスフィールド・フーズが設立した合弁会社であり、スミスフィールドが65%の株を保有する。同社は3年前から日本向けの輸出を行っているが、今回スミスフィールドジャパン(SFJ)と協力して日本での販売を強化するにあたり、リカルド・バレーダ・インターナショナルセールスマネジャー、セサール・アルヴィデレス・ビジネスデべロップメントが来日。多忙な合間を縫って、SFJの山川貴義ジェネラルセールスマネジャーとともに取材に応じた。
 同社では自社の豚肉を「ALTOSANO」(アルトサノ)ブランドとして展開。日本では「ALTOSANO ハイランドポーク」として販売していく。高地(アルト)で健康(サノ)に育てられたという意味であり、同社の農場が海抜2千m級の高地にあることが由来。高地にあることは防疫面でもプラスだ。GCMは、大規模でありながら持続可能な完全一貫生産を実現。農場、飼料工場および食肉加工場に関連する全工程におけるISO14001、飼料工場におけるISO22000、さらに農場および加工場におけるアニマルウェルフェア認証などさまざまな認証を取得。また、農場と飼料の完全なトレーサビリティを実現し、農場では100%グループハウジングを導入。飼料配合もすべて自社で行い、出荷される豚はすべてLWD三元豚だ。
 2019年にはメキシコ最大規模の豚肉加工場の稼働を開始。3万8千平方mの施設で最新のと畜システムを実現し、ロボットもかなり導入されている。スタニングから枝肉冷蔵庫の入り口までの所要時間は33分未満。設備に加え、メキシコは他産地に比べて細かな作業ができることも大きな強みだ。現在は週2万頭を処理。来年中には3万頭、さらに数年後には6万頭まで増加する計画。130カ所の農場すべてが工場から平均50km圏内にあり、現在は農場で生産される肉豚の50%を自社でと畜し、残りは外部に生体で出荷する。自社工場へ出荷を増やすことは可能であり、カッティングフロア拡大やセカンドシフト導入などを含めて拡張を計画。実現すれば同国最大のポークサプライヤーとなる。さまざまな裏付けやストーリーをもつ、高付加価値商品を供給することが可能であり、日本市場ではとくにチルドポーク中心に提案を強化。一方で価格訴求力のある商品にも対応し、ニーズに合わせた提案を行う。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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