ウクライナ産とうもろこしを巡る情勢—穀物輸出量39.6%減

 黒海穀物イニシアティブ共同調整センター(JCC)は3日、ウクライナの3港から輸出された穀物が合計で590.4万tになったと公表した。このうちとうもろこしは265.4万t(構成比45.0%)。8月30日以降はスペイン向けのとうもろこし輸出が多く、16隻の船舶により計58万tが輸出された。次いで多いのがイタリア向けで、計16隻の35.2万tが輸出された。
 ウクライナ農業政策食料省は9月30日、2022年7〜9月の穀物輸出量について、小麦、大麦、とうもろこしの合計で854万t(前年度比39.6%減)、うちとうもろこしは477.7万t(3.3倍)になるとの見込み(速報値)を公表した。8月1日の第1便以降は、361万tのとうもろこしが輸出されており、JCC公表の船舶による9月30日までのとうもろこし輸出量(249.8万t)を差し引くと、111.2万tが鉄道など陸路で輸出されている。
 ウクライナ穀物協会(UGA)によると、黒海穀物イニシアティブへの期待からウクライナの港を使う船主が増えており、今後さらに輸出が増えるものと見込まれている。この海上輸出航路が確保されれば、2022/23穀物年度(7月〜翌6月)の穀物輸出量は3280万tになると予測されている。また、UGAは、今後の輸出量が1カ月あたり400万〜500万tに増加すれば穀物倉庫の貯蔵余力に問題はないが、増加しない場合、今後収穫されるとうもろこしの貯蔵が困難になる可能性があるとしている。(農畜産業振興機構)

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