牛肉マーケット展望—値上げで消費弱い、年末に向け上げ気配

 10月に入り、厳しかった8〜9月に比べて徐々に相場は上向いてきている。ただ、月初の在庫補充手当てが終わればこの先に少し落ち着く可能性もある。現在、1日あたりのコロナ感染者数はピーク時の5分の1程度まで減少し、メディアの過熱報道も落ち着いてきた。外食産業も徐々に回復してきているものの、売り上げはコロナ前の7〜8割にとどまっている。外食店はとくに2回転目が課題となっている。
 ただ、10月からは「全国旅行支援」がスタートし、これまで辛酸をなめ続けた観光産業の回復に期待がかかる。ホテル・レストランなどは回復してきており、ヒレやカタロースの動きは良くなってきている。
 内食では10月から各種商品の値上げラッシュが進んでおり、消費者の財布のひもは硬い。畜産品でも、牛肉のみならず豚・鶏肉も高値が継続しており、販売は苦戦している。とくに不安定な輸入肉の供給状態を受けて、頻度品である国産豚肉、輸入ポークの価格高騰が継続しており、牛肉の購買まで余裕がない状況だ。とはいえ11月、12月は食肉産業にとって稼ぎどきであることは間違いない。牛枝肉相場は年末にかけて着実に上昇していく。ただ、売れ行きについては外食、内食ともに厳しいものがありそうだ。
 一方、輸入ビーフは、いまは秋冬向けの引き合いが強まってきた。加えて国産と同様、観光需要が徐々に高まっており、チャックアイロールなど、ホテル向けの引き合いが強まっている。その他の部位では、現在も断続的に入船遅れが発生していることから、供給は引き続き不安定だが、秋冬向けの仕入れが求められる中、ポイント、ナーベル、ランプ、カウミートを中心に、一定の引き合いが見込まれる。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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