「和牛新時代 地域かがやく和牛力」をテーマに開催された第12回全国和牛能力共進会(主催=公益(社)全国和牛登録協会)が10日、多くの関係者、観客らの拍手に包まれながら閉幕した。大会では、全国41道府県から史上最多の438頭(種牛の部272頭、肉牛166頭)の出品牛が集結し、全9区(特別区を含む)でトップを競い合った。また、開催地となった鹿児島には、5日間(6〜10日)で30万人以上が訪れた。
種牛272頭が出品された「種牛の部」では、第4区(繁殖雌牛群)を制した鹿児島県(拵正人さん、藤山粋さん、落合新太郎さん)が名誉賞(内閣総理大臣賞)を受賞。また、肉牛166頭が出品された「肉牛の部」では、今大会から新設された第7区「脂肪の質評価群」を制した宮崎県(神田譲市さん、馬場牧場、佐藤孝輔さん)が種雄牛「第5安栄」産子で制し、名誉賞を受賞。宮崎県は第11回に続き、4大会連続の名誉賞受賞の栄冠に輝いた。また、開催地である鹿児島県は、最多の計6区で1位を獲得した。肉牛の部にあたる6区(総合評価群)と7、8区のうち、第7区(脂肪の質評価群)では、宮崎県が優等賞1席に輝き、このうち、佐藤孝輔さんの出品枝肉(436.9kg、BMS№12)は(株)ミヤチクがキロあたり10万円で落札。今大会最高の落札額に、せり場は大きな盛り上がりをみせた。このほか、6区は島根県が肉牛群序列1位を、8区(去勢肥育牛)は鹿児島県が1席を受賞した。なお、8区の1席に輝いた㈲うしの中山の出品枝肉(565.5kg、BMS No.12)は(株)JA食肉かごしまが5万6,140円で落札した。
閉会式には岸田文雄首相が駆けつけ、「日本の食文化を代表する食材として、国内外から高く評価されている和牛の改良に日々取り組んでいる人たちに、直接祝意を伝えたく、内閣総理大臣として初めて閉会式に参加させていただいた。今回の鹿児島大会を契機に、より一層、和牛の魅力や生産性が向上し、和牛生産が将来にわたって成長し、次世代に引き継がれていくことをおおいに期待している」と祝辞を述べた。次回の第13回全国和牛能力共進会は、2027年北海道での開催となる(続きは食肉速報に掲載)
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