農水省は29日、食料・農業・農村政策審議会の会合をオンライン併用で開催した。審議会では、野村哲郎農水大臣(写真右)から食料・農業・農村基本法の検証などについて諮問し、新たに「基本法検証部会」を設置した。
食料・農業・農村基本法は、国民的視点に立った政策展開の観点から(1)食料の安定供給の確保(2)農業の有する多面的機能の発揮(3)農業の持続的な発展(4)農村の振興—を理念に掲げ1999年に制定されたもの。施行から20年以上が経過しており、昨今の気候変動や食料安全保障の確保など、日本の農業をめぐる課題は大きく変化している。9月9日に行われた「食料安定供給・農林水産業基盤強化本部」の会合では、岸田文雄首相から農業政策の基本となる食料・農業・農村基本法の法改正を見据え、見直しを指示された。これらを踏まえ、基本法の改正における検討を進めるため、今回設置された検証部会で具体的な議論が進められる。
冒頭、野村哲郎農水大臣は、「基本法が制定されてから20年が経過した。その間に、国内市場の縮小や生産者の減少など、農業構造も大きく変化している。さらに、食料安全保障におけるリスクの高まりや気候変動、海外市場の拡大など、わが国の農業を取り巻く情勢が想定されなかったレベルまで変化しており、ことしはターニングポイントになる。課題解決に向け、農業者だけでなく、食に関するすべての事業者、消費者を含めた幅広い関係者の理解と努力が必要。これまでの20年間を振り返りつつ、次の20年を見据えたものとなるよう議論していただきたい」と述べた。
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