ことしの旧盆商戦動向ー内食需要は不振、相場高が利益を圧迫

 コロナという特殊事情により、この3年はこれまでと異なる傾向がみられている。大きくは外食市場の縮小と、小売需要の拡大だ。そうした中で、旅行者や帰省者の減少、原材料高といった要因も重なり、複合的に変化している。3年目を迎え、こうしたゆがみが少しずつ解消に向かう中で、それぞれの事業・業態における景況の変化となって表れてきている。ことしは1月から3月にかけてコロナ陽性者数が急増。その後、一度は落ち着いたが、7月から再度、陽性者数が増加し、過去最高の数を記録した中での旧盆商戦となったが、現状の傾向をみる限りでは、再び落ち着いてきているものの、予断を許さない状況だ。食肉通信社では、食肉卸売業者、食肉専門店、量販店、食鳥関連企業など、全国の食肉関連事業者にきき取りを行い、まとめた。
 このうち食肉卸売業者については、実質の状況としては良くないものの、前年に国が「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」といったコロナ対策措置を取っていたため、前年よりは改善がみられたとする回答が多かった。
 傾向としては、ホテル・レストラン向けは比較的好調に推移。それ以外の外食店向けや食肉専門店、量販店向けの卸は苦戦がみられた。ホテル・レストランは前年が非常に悪かったこともあるが、「県民割」などの国による地域観光支援事業が一定程度、底支えとなり、ホテルの宿泊客数も改善した。それ以外の外食向けについては改善もみられたものの、コロナ拡大を受けて客数が伸びなかった。とくに21時ごろまでの1回転目はまだ来店があるものの、2回転目以降が弱かった。顕著な売れ筋部位はみられなかったが、ホテル系はロースなどの高級部位が動いた。ただ、それ以外の業態向けでは、高値や過度の霜降りを理由に敬遠されたとしている。利益面では、国産牛枝肉相場が下落した点は良いとしつつも、国産豚枝肉相場が高騰したほか、輸入ビーフが円安もあって高値が継続しており、そのほか包装資材、エネルギーコストの上昇による諸経費の増加もあって、十分とはいえなかった。
 一方、食肉専門店や量販店などの小売は、バラツキがあるものの、全体としては厳しい結果となった。緊急事態宣言などが発令されていた前年に比べると外食需要が回復していることや、物価高を受けて消費者の生活防衛意識も高まっており、節制する動きが強まったようだ(続きは食肉速報に掲載)

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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