牛肉マーケット展望—安値続く和牛去勢、差別化軸は「雌」へ移行

 東京市場によると、7月の和牛去勢の月間荷重平均相場はA5等級が2,638円(前年同月比1.7%安)となった。前年の7〜8月は政府による緊急事態宣言、まん延防止等重点措置といったコロナに関する諸施策が実施されたことで、厳しいシーズンとなっていたが、ことしも同様に厳しい。
 現在のコロナは重症化率が下がっているとはいえ、陽性者数が過去最多となったことから生活者の警戒も強まっており、実需は非常に弱まった。この8月の旧盆商戦の結果については現在、取りまとめており、週刊食肉通信9月6日付で掲載を予定している。
 コロナが拡大していた前年8月の和牛去勢A5価格の平均は2,587円で、前年7月から97円安に下落。一方、同9月は2,683円で7月並み、10月からは96円高と一気に回復している。昨年は8月をピークに9月はコロナが一時的に終息していたことから、シルバーウイークへの期待が募ったもの。
 ことしの9月も敬老の日、秋分の日による2度の3連休があり、この消費に期待したいところだが、いまだ圧倒的な陽性者数の中で、現時点では終息がみえない状況であるため、積極的な買いに入れない。
 ただ、これまでのコロナの状況から、9月には終息に向かっていくとみて、9月に入れば仕入れを進めるという声もきかれる。しかし、昨年9月の連休は量販店も不調で、荷動きが悪かった。この9月から徐々に仕入れを始めるとしても、年末も視野に入れた冷凍在庫をつくりながらの商品回転となるだろう。

※当ページに掲載している記事はいずれも日刊「食肉速報」からの抜粋です。詳細は本紙でお読みいただけます。 >>「食肉速報」を今すぐ申し込む



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