農水省は10日、羽田空港で動物検疫所・植物防疫所合同で広報キャンペーンを開催した。同キャンペーンは、海外からの輸入が禁止されている畜産物などの持込防止の注意喚起を目的とした活動で、コロナ発生以降開催を見送っていたが、今回、外国人観光客の受け入れ再開にあたり、約2年ぶりに実施した。
家畜の重大な伝染性疾病であるアフリカ豚熱が中国をはじめとしたアジア諸国において感染が拡大している。昨年11月にはタイにおいて初めて発生が確認され、東アジアでアフリカ豚熱が発生していないのは日本と台湾のみとなり、わが国へのアフリカ豚熱の侵入リスクがより高まっている。また、かんきつなどの果実の重大な害虫であるミカンコミバエ種群がアフリカおよび中東地域において発生地域を拡大するなど、病害虫の侵入リスクも高まっている。
このたび、わが国における新型コロナの水際措置が見直され、1日あたりの入国者数の緩和および外国人観光客の受け入れが再開することとなった。人や物の動きが活発になり、海外から肉製品や植物が違法に持ち込まれることにより、アフリカ豚熱などの家畜の伝染性疾病や病害虫が侵入することを防ぐため、動物検疫所および植物防疫所では、海外への渡航者や入国者に対して、海外からの輸入が禁止されている畜産物や植物などの持込防止にかかわる注意喚起を目的とした広報活動を実施した。
広報活動には、農水省の動物検疫所や植物検疫所の職員のほか、日本養豚協会に所属する生産者なども参加し、リーフレット入り広報用ティッシュの配布、声かけなどによる海外への渡航者や入国者に対する注意喚起を行った。さらに、配布場所には動植物検疫探知犬やイメージキャラクターのクンくん、ぴーきゅんも登場し、渡航者や入国者などと一緒に撮影をするなど、認知度向上につながる取り組みも行われた。
目次